家賃の平均はいくら?|国の統計で人数・地域ごとに見て、家計簿で手取りに占める割合を出す

支出の見直し

家賃は、毎月の支払いの中でいちばん大きくなりやすいお金です。自分の家賃が高いのか安いのかを知りたくて平均を調べると、物件の相場や「手取りの3割」という言い方がいくつも出てきて、どれを物差しにすればよいか迷います。

この記事では、総務省の2つの統計で、家賃の平均を世帯の人数と都道府県ごとに確かめます。そのうえで、共益費や駐車場、更新料を家計簿のどこに書くかと、自分の家賃が手取りの何割かを出す手順までを書きます。

家賃が手取りの3割を超えているので、高すぎないか心配です。でも、何と比べて高いと言えばいいのかが分からず迷います。

家賃の平均は、国の2つの統計で見る

家賃の平均を出している国の統計は、大きく2つあります。住まいそのものを調べる「住宅・土地統計調査」と、家計の支出を調べる「家計調査」です。どちらも総務省統計局が行っていますが、数え方が違うので、額も違って出ます。

住宅・土地統計調査:借家の家賃は1か月59,656円

住宅・土地統計調査は、5年に1回、住まいと暮らす世帯を調べる統計です。いちばん新しい2023年の調査では、借家(住まいだけに使う家)の1か月の家賃は、平均59,656円でした。2018年より7.1%増えています。

この家賃は、最近払った1か月分の額で、敷金・礼金や共益費・管理費は入っていません。借家の種類ごとの平均は、次のとおりです。

  • 民営の借家:64,819円(木造 54,409円・木造以外 68,548円)
  • 都市再生機構(UR)・公社の借家:71,831円
  • 公営の借家:24,961円
  • 社宅や公務員住宅などの給与住宅:37,993円

家賃の額ごとの世帯の数を見ると、いちばん多いのは5万円台で、借家に住む世帯の16.5%です。家賃が分かる世帯のうち、6万円未満は56.1%、10万円以上は9.9%でした。

世帯の人数と都道府県で、額は大きく違う

住宅・土地統計調査(2023年)の1か月の家賃の平均を並べた図。借家に住む世帯の人数ごとでは、1人52,510円・2人67,498円・3人73,741円・4人79,445円。民営の借家の都道府県ごとでは、全国64,819円・東京都93,973円・神奈川県75,720円・大阪府63,912円・愛知県60,115円・福岡県55,710円・青森県45,427円

図の上は、借家に住む世帯を人数ごとに分けた平均です。一人暮らしは52,510円で、4人の世帯では79,445円でした。この人数ごとの数字は、公営の借家や社宅も含めた平均です。

図の下は、民営の借家の都道府県ごとの平均です。いちばん高い東京都は93,973円で、全国の約1.4倍でした。いちばん低いのは青森県の45,427円で、東京都の半分に届きません。

同じ統計は、市や区ごとの家賃の平均も出しています。自分の住む地域と比べたいときは、都道府県より狭い単位で見たほうが、比べる相手が近くなります。

家計調査:民営の賃貸に住む世帯の家賃地代

家計調査は、毎月の家計簿をもとに、世帯の収入と支出を調べる統計です。2025年の平均で、民営の賃貸に住む世帯の「家賃地代」は、二人以上の世帯が67,107円、一人暮らしの世帯が49,831円でした。

平均年齢は、二人以上の世帯の世帯主が49.6歳、一人暮らしが45.3歳です。二人以上の世帯全体の世帯主の平均60.7歳より、若い世帯の数字です。

一人暮らしの家計の中で、家賃がどれくらいの重さかは、一人暮らしの家計簿の記事で取り上げています。持ち家の世帯を含む生活費全体の平均を見るときの注意は、生活費の内訳の記事にまとめています。

2つの統計で額が違う理由

住宅・土地統計調査は、最近払った1か月分の家賃そのものを聞いています。家計調査の家賃地代は、1年に払った額をならした1か月あたりの額で、更新料や礼金、仲介手数料も入ります。

また、家計調査の平均には、家賃を払っていない世帯も入っています。民営の賃貸に住む世帯のうち、家賃・地代を払っている世帯は、二人以上の世帯で85.6%、一人暮らしで84.2%でした。

どちらが正しいというより、何を数えたかが違います。自分の家賃1か月分と比べるなら住宅・土地統計調査、家計簿の1年分の住まいの支出と比べるなら家計調査のほうが、範囲が近くなります。

「家賃は手取りの3割」に、国の目安は見つからなかった

家賃は手取りの3割まで、3分の1まで、という言い方をよく見かけます。今回、住宅・土地統計調査と家計調査の結果の概要や用語の解説を見ましたが、家賃を収入の何割に収めるべきかという目安は、見つけられませんでした。

国の統計にあるのは、実際にいくら払っているかの平均です。家計調査の2025年の数字で、民営の賃貸に住む二人以上の勤労者世帯の家賃地代は69,450円で、可処分所得は483,321円でした。

可処分所得は、収入から税金や社会保険料を引いた、いわゆる手取りのことです。2つの平均を割ると、家賃は手取りの約14%になります。ただし、この手取りは共働きの世帯の2人分や、ボーナスをならした分も含んだ平均です。

この約14%は、平均の家計ではこうだったという数字で、収めるべき線ではありません。何割なら暮らせるかは、家賃のほかに毎月出ていくお金と、貯金に回したい額で変わります。

割合は、他の家と比べるより、自分の家計の中で見たほうが役に立ちます。家賃を払ったあとに、食費や貯金に回すお金が残るかどうかが大事です。

家計簿での家賃の書き方

家賃の請求には、家賃のほかに共益費や駐車場代がまとめて入っていることがあります。引っ越しや更新のときには、敷金や更新料のようにふだんは出ない支払いもあります。

家賃まわりの支払いを、家計簿のどこに書くかを分けた図。家賃と共益費・管理費は毎月の住まい、駐車場代は車の費用、更新料・礼金・仲介手数料は特別費、敷金は支出に数えない

図は、家賃まわりの支払いの置き場の例です。家計簿の項目は自由に決めて構いませんが、一度決めた置き場を毎月そろえると、先月や去年と比べられます。

家賃と共益費・管理費

家賃と共益費・管理費は、毎月同じ日に一緒に払うことが多いので、家計簿では同じ「住まい」の項目に入れます。額がほとんど変わらないので、固定費の一覧に入れておくと、書き忘れに気づけます。

置き場は同じでも、行は分けておくと国の平均と比べやすくなります。住宅・土地統計調査の家賃には共益費・管理費が入らず、家計調査でも共益費は家賃地代ではなく「その他の消費支出」に数えます。

共益費・管理費を払っている民営の借家では、その平均は1か月5,177円でした。住まいの中で家賃と共益費を別々の行にしておけば、平均と比べるときに、家賃の行だけを取り出せます。

駐車場代

家賃と一緒に払う駐車場代も、家計調査では住まいではなく、交通・通信の中の車の費用に数えます。家計簿でも、車を持っているなら車の維持費の側に書くと、車にいくらかかっているかが1か所で見えます。

請求が1本にまとまっていても、契約書や明細で駐車場の分の額を確かめ、行を分けて書きます。家賃の割合を出すときも、駐車場の分は除いたものと含めたものの両方を出しておくと、比べる相手に合わせられます。

更新料と火災保険

賃貸の更新料は、2年ごとなど、決まった年にだけ出てきます。家計調査では家賃地代に入りますが、毎月の家計簿では、ふだんの家賃と分けて特別費として書いておくと、更新の月だけ家賃が増えて見えることがありません。

更新のときに払う火災保険も、同じように特別費に入れます。契約書で次の更新の月と額を確かめ、月あたりの額を取り分けておくと、更新の月に慌てずに済みます。

引っ越しのときの敷金・礼金・仲介手数料

家計調査では、礼金や仲介手数料は家賃地代に入り、敷金は消費支出に入れていません。敷金は、貸したお金や立て替えたお金と同じ側に数えています。

家計簿でも、敷金は支出に数えず、預けたお金として別にメモしておきます。退去のときに戻らなかった分があれば、戻らないと分かった月に、住まいの支出として書きます。礼金や仲介手数料は、引っ越しの月の特別費にします。

家賃の引き落とし日と、月の区切り

民法では、建物の家賃は毎月末に払うと決められていますが、契約で翌月分を前の月に払う形になっていることもあります。どの月の分をいつ払うかは、契約書で確かめます。

家計簿には、払った日の月に書くのが分かりやすい書き方です。前の月に翌月分を払う契約でも、毎月1回ずつ書くことは変わらないので、1か月の合計はぶれません。家賃の日が給料日のすぐ後なら、引き落としの多い日を確かめる手順で、家計簿の区切りを考えられます。

家賃補助や社宅

勤め先から住宅手当が出ている場合、手当は給料の一部として手取りに入ってきます。家計簿には、手取りを収入として、家賃は全額を支出として書きます。手当の額は、給与明細の支給の欄で確かめられます。

社宅や借り上げの住まいで、家賃が給料から引かれている場合は、給与明細の控除の欄に引かれた額が載っています。収入を差引支給額で書いているなら、この額はすでに引かれているので、支出には書きません。

支出に書くと、同じ家賃を二重に引くことになります。家賃の割合を出すときに使えるよう、明細の額を家賃として家計簿の余白などに書き留めておきます。

自分の家賃の割合を出す手順

平均と比べる前に、自分の家賃が手取りの何割かを出しておくと、家計の中での重さが分かります。用意するのは、給与明細と、家賃の契約書か明細です。

ステップ1給与明細で、毎月の手取りを確かめる5分

給与明細の「差引支給額」などと書かれた欄が、口座に入る手取りです。欄の見方は、給与明細の記事の差引支給額の節に書いています。ここでは、ボーナスを除いた毎月の額で見ます。

社宅の家賃が給料から引かれているなら、差引支給額に社宅の家賃を足した額を、割合を出すときの手取りにします。差引支給額のままで割ると、家賃がすでに引かれた後の額で割ることになり、割合が高く出るからです。

残業などで月ごとに手取りが動くなら、直近3か月の平均を使います。共働きで家賃を2人で払っているなら、2人の手取りを足した額で出します。

ステップ2住まいに毎月払っている額を集める5分

契約書や明細で、家賃と共益費・管理費の額を確かめます。駐車場代があるなら、別に書いておきます。更新料は毎月ではないので、ここには入れません。

ステップ3家賃を手取りで割る2分

家賃と共益費・管理費の合計を、毎月の手取りで割ります。家賃だけで割った値も出しておくと、国の平均と比べるときに使えます。

家賃の割合を出す記入例の図。毎月の手取り220,000円に対し、家賃65,000円と共益費3,000円で住まいの支出は68,000円。手取りに占める割合は約31%。金額は例

図は、手取りが22万円、家賃が65,000円、共益費が3,000円の例です。住まいの支出は68,000円で、手取りに占める割合は約31%になります。

ステップ4国の平均と比べるなら、範囲をそろえる5分

住宅・土地統計調査と比べるなら、共益費と駐車場を除いた家賃だけの額を使います。家計調査と比べるなら、家賃に、更新料を更新までの月数(2年ごとなら24か月)で割った額を足します。

比べる相手も、住まいの種類・人数・地域をできるだけそろえます。一人暮らしで民営の賃貸なら、全国の平均より、自分の都道府県や市の民営の借家の平均のほうが近い物差しです。

ステップ5家賃を払ったあとの残りを見る5分

割合の数字だけでは、暮らせるかどうかは決まりません。手取りから家賃と他の決まった支払い、貯金に回す額を引き、残りで食費や日用品をまかなえるかを見ます。残りの出し方は、一人暮らしの家計簿の手順にまとめています。

残りが足りない月が続いているなら、家賃より先に、項目ごとにどこが増えたかを確かめます。赤字の原因を項目ごとに探す手順で、家賃以外に動かせる支出がないかを見ます。

家賃が払えなくなりそうなとき

離職や休業で収入が減ったときは、家賃額を補助する制度があります。住居確保給付金といい、原則3か月(最長9か月)支給されます。

収入と金融資産の基準、申請の窓口は住居確保給付金とはにまとめています。支給は大家の口座へ直接振り込まれます。

よくある質問

Q家賃は手取りの3割が目安と聞きました

3割や3分の1という言い方はよく見かけますが、今回見た国の統計の資料には、家賃を収入の何割に収めるべきかという目安はありませんでした。割合を出したうえで、家賃を払ったあとの残りで暮らせるかを、自分の家計で確かめます。

Q家賃は年収の何割で考えればいいですか

年収は、税金や社会保険料を引く前の額です。同じ家賃でも、年収で割ると手取りで割るより低い割合になるので、どちらで出したかをそろえておきます。家計簿で毎月の家計と比べるなら、手取りで出したほうが実際に使えるお金に近くなります。

Q二人暮らしや3人家族の家賃の平均は

住宅・土地統計調査の2023年の数字で、借家に住む世帯の家賃の平均は、2人の世帯が67,498円、3人の世帯が73,741円でした。公営の借家や社宅も含めた平均なので、民営の賃貸と比べるなら、少し高めに見ます。二人暮らしの生活費全体は、二人暮らしの生活費の記事で取り上げています。

Q家賃は家計簿の何費に入れますか

家計調査では、家賃は「住居」の中の家賃地代です。家計簿では「住まい」や「住居費」の項目に入れ、毎月ほぼ同じ額なので固定費として扱います。項目の分け方は、迷いやすい支出の置き場も参考にしてください。

Qボーナスも入れて割合を出していいですか

入れて出すこともできますが、ボーナスは会社や年によって額が変わります。毎月の手取りだけで割合を出しておくと、ボーナスが減った年も同じ物差しで家賃の重さを見られます。

Q駐車場込みで割合を出すのは間違いですか

間違いではありません。車が暮らしに欠かせないなら、駐車場込みの割合も見ておく意味があります。国の家賃の平均には駐車場代が入っていないので、平均と比べるときだけ、駐車場の分を除いた割合を使います。

Q物件の相場のサイトの平均と、国の平均は何が違いますか

相場のサイトの多くは、そのとき募集している物件の家賃から出しています。国の統計は、いま住んでいる世帯が払っている家賃なので、何年も前に契約した住まいも入り、募集中の物件の家賃とは違って出ます。

まとめ

  • 家賃の平均は、住宅・土地統計調査(2023年)で借家1か月59,656円、民営の借家64,819円
  • 一人暮らしは52,510円、4人の世帯は79,445円で、東京都の民営の借家は93,973円
  • 家計調査の家賃地代は、更新料も入り、払っていない世帯も含む平均なので、同じ額にはならない
  • 「手取りの3割」のような目安は、国の統計の資料では見つからなかった
  • 家計簿では、共益費は家賃と同じ住まいに入れて行は分け、駐車場は車、更新料は特別費、敷金は支出に数えない
  • 自分の割合は、毎月の手取りで割って出し、比べるときは範囲をそろえる

自分の家賃の割合と、払ったあとの残りが分かれば、平均に振り回されずに済みます。家計簿の置き場をそろえておけば、来年の家計とも比べられます。

この記事で参照した公的情報

  1. 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要(借家の1か月当たり家賃・種類別の家賃の推移)
    窓口
    総務省統計局
    確認日
    確認先
    https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
  2. 令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説(住宅の家賃・共益費・管理費)
    窓口
    総務省統計局
    確認日
    確認先
    https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/yougo.pdf
  3. 令和5年住宅・土地統計調査 基本集計 第112-2表(所有の関係別の1か月当たり家賃・共益費・管理費-全国・都道府県)・第123-1表(世帯人員別の1か月当たり家賃-全国・都道府県)
    窓口
    総務省統計局(e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200522&query=%E5%AE%B6%E8%B3%83%20%E9%83%BD%E9%81%93%E5%BA%9C%E7%9C%8C&layout=dataset
  4. 家計調査 家計収支編 2025年 二人以上の世帯 第3-7表 住居の所有関係別(民営借家の家賃地代・可処分所得)
    窓口
    総務省統計局(e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409538
  5. 家計調査 家計収支編 2025年 単身世帯 第8表 住居の所有関係別(民営借家の家賃地代)
    窓口
    総務省統計局(e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409842
  6. 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(家賃地代・更新料・敷金・共益費・駐車場借料)
    窓口
    総務省統計局
    確認日
    確認先
    https://www.stat.go.jp/data/kakei/kou2025/zuhyou/kouh2025.xlsx
  7. 家計調査 用語の解説(可処分所得)
    窓口
    総務省統計局
    確認日
    確認先
    https://www.stat.go.jp/data/kakei/kaisetsu.html
  8. 民法 第614条(賃料の支払時期)
    窓口
    e-Gov法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。