特別費は思い出さずに明細から拾う|年払いの契約や税金を1年分の記録から見つける手順

支出の見直し ・ 最終更新

特別費は、毎月ではなく、年に数回や数年に1回だけ来る支払いのことです。その一覧を作るとき、多くの方は思い出しながら書き出します。税金、車検、帰省、冠婚葬祭。ここまで書けると、一覧はそれで完成したように見えてしまいます。

抜けやすいのは、自分で払っている意識がないまま毎年来る支払いです。年払いにした契約や、年払いにしている保険の保険料がそうです。こうした支払いは、覚えていなくても明細には必ず残っています。

備えていない特別費が来ると、その月は貯金を崩すか、赤字になります。先に一覧にしておけば、毎月少しずつ取り分けて、その月を普段どおりに過ごせます。

去年の今ごろ何を払ったかと聞かれても、すぐには答えられません。でも、カードの明細を開けば全部載っています。

前の記事では、年払いの支払いは直近3ヶ月の明細では見つからないことを書きました。この記事は、その12ヶ月分をどう見ればよいかの手順です。

思い出して作る一覧から抜けるもの

特別費には、思い出して書けるものと、明細を見ないと出てこないものがあります。違いは、払う時期を自分が覚えているかどうかです。

特別費を2つに分けた図。税金と帰省・行事は払う月が決まっていたり予定に入っていたりするので思い出して書けるが、自動で更新される年払いの契約と、口座から年に1回引き落とされる保険の年払いは、明細でしか見つからない

税金や帰省は、予定として頭に入っています。一方で、自動で更新される契約は、申し込んだときに一度決めたきりです。更新の月が来ても通知に気づかなければ、そのまま引き落とされます。

税金は、払う月がおおよそ決まっている

税金は「いつの時点で持っているか」でかかり、払う月も法律と条例で決まっています。自動車税は4月1日時点の持ち主にかかり、納期は5月中で都道府県が決めます。軽自動車税も4月1日時点で、納期は4月中で市区町村が決めます。

固定資産税は1月1日時点の持ち主にかかり、納期は原則として4月・7月・12月・2月の4回です。ただし市町村の条例で別の時期にしている場合があるので、届いた納税通知書で確かめてください。

土地や家屋の評価額は、原則として3年ごとに見直されます(次は2027年度)。見直しの年は去年の明細と額が変わることがあるので、届いた納税通知書の額で表を直します。

住民税を給料から引かれずに自分で払っている方は、納期が原則として6月・8月・10月・1月の4回です。こちらも市町村の条例で決まるので、納税通知書の日付を見てください。

12ヶ月分の明細から拾う手順

用意するのは、クレジットカードの明細と、銀行口座の入出金の記録を12ヶ月分です。紙でも表計算でも、いま使っている家計簿でも同じ手順でできます。全部で50分ほどかかるので、時間のとれる日に一度にやってください。

ステップ1カードと口座の明細を12ヶ月分そろえる10分

カード会社のWeb明細と、銀行の入出金明細を開きます。さかのぼれる期間は会社ごとに違うので、古い月から先に保存しておくと安心です。

携帯電話の料金と一緒に払っているものは、カードや口座の明細には携帯会社の名前でしか出ません。こちらは支払いの経路ごとの確認場所を見て、携帯会社のマイページで確かめてください。

ステップ2毎月出ているものに線を引いて外す10分

家賃、通信費、月払いのサブスク、食費や日用品のように、ほぼ毎月出ているものに線を引いて外します。月によって金額が変わっても、毎月出ていれば外して構いません。

保険や契約を月払いにしているものも、ここで外れて構いません。月払いなら毎月の支出の中にすでに入っているので、特別費として取り分ける必要がないからです。

外すと、明細はかなり短くなります。残ったものが、年に数回しか出ない支払いの候補です。

1年の表の図。1行目の毎月出るものを横線で消すと、固定資産税の4回、自動車税の5月、年払いの契約と保険の年払いのように、年に数回しか出ない支払いだけが残る。税金の月は原則で、契約と保険の月は例

ステップ3年に1〜2回しか出ないものに印を付ける15分

残ったものから、次のどれかに当てはまるものに印を付けます。

  • 12ヶ月のうち1回しか出ていない
  • 同じ名前で、年に数回だけ出ている(固定資産税の4回、ローンのボーナス払いの2回など)
  • 名前に「年会費」「年額」「更新」「保険料」「税」が入っている
  • 金額が大きいのに、何の支払いか思い出せない

車を持っているなら、保険の年払いのほかに、タイヤの交換や点検のように年に1〜2回出る支払いも、この条件で拾えます。お店の名前で出ていても、金額と月を見れば見つかります。

何の支払いか分からないものは、明細に出ている名前をそのまま検索すると分かることがあります。それでも分からなければ、カード会社に問い合わせると請求元を教えてもらえます。

固定資産税は、後の納期の分もまとめて先に払えます。1回にまとめて払っていると、明細には年に1回しか出てきません。まとめて払うなら払った月に1行、4回に分けるなら4つの月に書き、今年の払い方に表を合わせます。

ステップ4印を付けたものを、月ごとの表に書き写す10分

1月から12月までの欄を作り、印を付けた支払いを出た月に書き写します。名前と金額だけで十分で、1円単位で正確である必要はありません。

表にすると、支払いが特定の月に固まっていることが見えます。4月と5月に税金が続くのは、先ほどの納期のとおりです。

ステップ5合計を12で割り、毎月取り分ける額を出す5分

表の合計を12で割ると、毎月いくら取り分けておけば特別費で慌てずに済むかが分かります。目安の金額を借りるより、自分の明細から出した数字のほうが、自分の家計に合っています。

月ごとの表の例の図。1月の保険の年払い48,000円、固定資産税の4回の各30,000円、5月の自動車税30,500円、9月の年払いの契約12,000円、11月の帰省60,000円、2年に1回10万円の車検を1年あたり50,000円として並べ、1年の合計は320,500円。12で割って毎月約26,700円を取り分ける

図は、表を書き終えた後の例です。2年に1回・10万円の車検は、1年あたりの5万円として合計に入れています。こうすると、車検のない年にも少しずつ取り分けておけます。

初めての年は、毎月の額が思ったより大きく見えることがあります。全額を毎月取り分けられなくても、半分から始めて、足りない分をボーナスや貯金から出す、と先に決めておけば慌てません。

取り分けたお金は、普段使う口座と分けておくと混ざりません。専用の口座を作るのが難しければ、家計簿の上で「特別費」として分けておくだけでも区別できます。

明細では拾えない4つのもの

2年に1回のもの

12ヶ月分の明細で拾えるのは、1年に1回以上あるものだけです。車検や賃貸の更新料のように2年に1回のものは、今年の明細には出てこないことがあります。

こうした支払いは、車検証や賃貸の契約書に次の時期が書いてあります。自家用の乗用車なら、新車で最初の車検までは3年、その後は2年ごとです。月ごとの表とは別に「次はいつ」の行を1つ作っておくと、表を作り直すときにも抜けません。

今年はじめて来るもの

入学や進学、引っ越し、家族の結婚式のように、去年はなかった支払いは明細に出てきません。家族の予定表や学校からのお知らせを見て、今年の分だけ表に書き足します。

子どもの発表会や修学旅行、家族の旅行も、行き先や学年で額が毎年変わります。去年の額ではなく、今年の予定から書きます。

現金で払うものと、ふだんの店で買う行事の品

お年玉やご祝儀、学校の集金のように現金で払うものは、明細には「引き出し」としか出てきません。誕生日やクリスマスの品も、ふだんのスーパーで買うと、ステップ2で毎月のものと一緒に外れてしまいます。

こうした支払いは、明細からは見分けられません。手帳や家族の予定表を見て、行事のある月に、去年かかったおおよその額を書き足します。母の日や父の日、お中元やお歳暮、行事の日の外食も同じです。

現金で払う分が多いなら、取り分けたお金の一部を封筒に分けておくと、その月に慌てずに済みます。封筒の分も、表の上ではほかの特別費と同じ行に書いておきます。

いつ来るか分からないもの

家電の故障や給湯器の交換、家の修繕、スマホ本体の買い替え、入院、冠婚葬祭は、去年たまたま無ければ明細に残っていません。月ごとの表とは別に、自分で額を決めた「予備」の行を作っておき、使わなかった年は翌年に持ち越します。

12ヶ月の明細で見えるのは、1年の周期までの、去年あった支払いです。それより長い周期や、今年だけのものは、書類と予定表のほうに書いてあります。

払った月の家計簿の書き方

特別費を払った月は、その月の支出が大きくなります。毎月の生活費と同じ欄に書くと、その月だけ赤字に見えて、月1回の見直しで比べるときにも数字がぶれます。

そこで、取り分けたお金から払ったものは、生活費とは別の「特別費」の欄に書きます。生活費の欄は毎月の使い方を比べるため、特別費の欄は取り分けた額で足りたかを見るため、と役割を分けておきます。

取り分けている途中のお金は、使う予定が決まっているお金です。貯金の書き方とは分けて考えます。貯金と同じ口座に入れる場合でも、家計簿の上では「特別費の分」として分けておくと、貯金が増えたと取り違えずに済みます。

1年に1回、表を作り直す

表は一度作れば終わりではなく、年の初めや税の通知が届く前など、毎年同じ時期に1回作り直します。契約は増えたり止めたりするので、去年の表をそのまま使うと、止めたものに取り分け続けたり、新しい年払いが抜けたりします。

月1回の見直しでは直近3ヶ月分を並べるので、年に数回の支払いはそこには入りません。年に1回の作り直しと月1回の見直しは、見ている期間が違う別の作業です。

Mirai Kanai でこの表を作る場合

ここまでの手順は、紙でも表計算でも、どの家計簿でもできます。そのうえで、私たちが運営する Mirai Kanai にある機能を、無料と有料に分けて書いておきます。

  • 明細の取り込み(無料):カードや銀行の明細をCSVで取り込み、12ヶ月分を家計簿に並べられます
  • 未来計画(有料):拾い出した支払いを「毎年」として登録すると、その月の収支の見込みに入ります

未来計画は有料のプランで、料金ページでは月額550円と表示しています。取り込みと家計簿は無料なので、表を作るところまでは費用がかかりません。詳しくは料金ページにあります。

よくある質問

Q12ヶ月分の明細が残っていません

さかのぼれる分だけで始めてください。足りない月は、来年作り直すときに埋まります。納税通知書や保険の証券のように、年に1回届く書類から拾える支払いもあります。

Q家族がそれぞれカードを持っています

それぞれのカードと口座で同じことをしてから、1枚の表にまとめます。同じ契約に2人で払っていることもあるので、まとめたときに名前が重なっていないかも見てください。

Q毎月ではなく、ボーナスで払ってもいいですか

構いません。ただ、ボーナスは額が変わったり出なかったりすることがあります。毎月の取り分けとボーナスで半分ずつ持つようにしておくと、ボーナスが少ない年にも困りません。

Q取り分けた額が余ったり、足りなかったりしました

1年に1回表を作り直すときに、実際に払った額と比べて翌年の額を直します。余った分は翌年に持ち越せば、予備の行の分として使えます。

Q特別費は、年にいくらくらいが普通ですか

家族の人数や、車・持ち家の有無で大きく変わるので、目安の金額はあまり当てになりません。自分の明細から出した合計を、自分の家計の目安にしてください。

まとめ

  • 特別費を思い出して書くと、年払いの契約や保険の年払いのように、自動で来る支払いが抜ける
  • カードと口座の明細を12ヶ月分そろえ、毎月出るものを外す
  • 残ったもののうち、年に1〜2回しか出ないものに印を付け、月ごとの表に書き写す
  • 合計を12で割った額を、毎月取り分ける(2年に1回のものは1年あたりの額で入れる)
  • 2年に1回のもの・今年だけのもの・現金で払うもの・いつ来るか分からないものは、書類と予定表と予備の行で補う
  • 払った月は、生活費とは別の特別費の欄に書く
  • 表は1年に1回作り直す

一度表を作れば、今月なぜ多く出ていくのかが先に分かります。慌てずに済む月が、1年の中で確実に増えます。

この記事で参照した公的情報

  1. 自動車税・軽自動車税(賦課期日と納期)
    窓口
    総務省
    確認日
    確認先
    https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_13.html
  2. 固定資産税の概要(賦課期日)
    窓口
    総務省
    確認日
    確認先
    https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html
  3. 地方税法 第362条(固定資産税の納期)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
  4. 地方税法 第320条(個人住民税の普通徴収の納期)・第365条(固定資産税の前納)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
  5. 道路運送車両法 第61条(自動車検査証の有効期間)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

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