家計簿の交際費はどこまで入れる?|入れる線を先に決め、年に何回あるかで見る

家計簿の交際費は、何を入れるかで迷いやすい項目です。友人との食事、飲み会、お祝い、香典、手土産、プレゼントと、人と関わるお金は種類も額もばらばらです。
迷う理由は、交際費の中身に決まった答えがないことにあります。国の家計調査には交際費の範囲がはっきり決まっているので、それを物差しにして、自分の家計簿での線を先に決めます。この記事では、線の決め方と書き方、年に何回あるかの見方を順に書きます。
友人と食事をした日は、食費でしょうか、交際費でしょうか。つけるたびに迷って、月によって置き場が変わってしまいます。
家計調査の交際費は「家族の外の人のため」のお金
総務省の家計調査では、交際費を「贈答用金品及び接待用支出並びに職場、地域などにおける諸会費及び負担費」としています。人に贈るもの、人をもてなすために払ったもの、付き合いの会費が交際費です。
家計調査は、同じ品物でも「自分の家で使うか、ほかの家に贈るか」で分けます。自分で食べるお菓子は食料ですが、手土産に買ったお菓子は交際費です。食事も同じで、自分が食べた分は食料の外食、相手の分を払ったなら交際費になります。
ここでいう家族は、一緒に暮らして家計を共にする人です。家計調査の「世帯」も同じ考え方なので、別に暮らす親や親戚に贈ったり、ごちそうしたりした分も、家族の外の人への交際費になります。

図のように、家計調査の交際費には次のものが入ります。どれも、家族の外の人との付き合いのために出ていくお金です。
- 贈り物:人に贈るために買った食べ物、服、花、本など
- 贈与金:せん別、香典、見舞金、謝礼金、祝儀
- つきあい費:親睦や交際のための会費
- 地域や職場の負担費:町内会費、自治会費、同窓会費、労働組合費
一方で、寄付金は「その他の消費支出」の中の別の項目で、ふるさと納税もここに入ります。家族への仕送りは交際費とは別の項目、PTA会費は教育です。自分の家の結婚式や法事の費用も、交際費ではなく「諸雑費」の中の婚礼や葬儀の項目です。
年賀状も迷いやすいものです。家計調査では、年賀はがきは郵便料として「通信」に入り、交際費には入りません。
入れる線の決め方は3つ
家計簿の交際費は、家計調査と同じでなくて構いません。大事なのは線を1本に決めて、毎月そろえることです。よく使われる線は、次の3つです。
1. 家族の外の人のために払った分だけ
家計調査と同じ線です。友人と食事をしたら、自分の分は食費、おごった分や手土産だけが交際費になります。食費を月ごとに比べるとき、人と会った回数で食費がぶれにくくなります。
2. 人と会った日の出費をまとめて入れる
友人との食事や飲み会は、自分の分も含めて全部を交際費に入れる線です。付き合いにいくら使っているかが1つの数字で見えます。その代わり、家計調査の食費と比べるときは、外食の分がずれます。
3. お祝い・香典だけ「慶弔費」に分ける
1か2のどちらかに加えて、お祝いや香典のように額が大きく、回数の少ないものを別の項目にする線です。ふだんの付き合いの額と、年に数回の大きな額が混ざらなくなります。
どれにするかは、家計簿で何を見たいかで決めます。友人とのランチや誕生日のケーキのように、ほかの項目との境目で迷うものは、項目の決め方の記事の置き場の例も合わせて見てください。
付き合いの出費が少ない家は、交際費の項目を作らない決め方もあります。人との食事は食費に入れ、お祝いや香典のような年に数回の出費は、ほかの年1回の支払いと同じ表にまとめて書いておきます。
交際費の決め方と書き方の手順
用意するのは、去年の手帳や家族の予定表と、カードや口座の明細です。紙でも表計算でも、どの家計簿でも同じ手順で進められます。
ステップ11年の付き合いの予定を書き出す10分
誕生日、母の日や父の日、お中元やお歳暮、お年玉、結婚式や法事など、去年あった付き合いを月ごとに書き出します。現金で包んだお祝いや香典は明細に出てこないので、手帳や予定表を見て思い出します。

図は、1年の予定を並べた例です。こうして並べると、付き合いの出費は毎月同じではなく、年に何回かの山になっていることが分かります。
ステップ2線を決めて、家計簿の最初に書いておく3分
3つの線から1つを選び、家計簿の最初のページやメモに書いておきます。「友人との食事は自分の分は食費、おごった分は交際費」のように、迷ったときに見返せる形で1行ずつ書きます。
ステップ3毎月の分と、年に数回の分を分けて書く1分
飲み会や会費のように毎月ありうるものは、ふつうの交際費として使った日に書きます。お祝いや香典、お中元やお歳暮のように年に数回のものは、同じ交際費でも「年に数回の分」と分かる印を付けておきます。
ステップ4月1回の見直しで、回数と1回あたりの額を見る5分
月1回の見直しでは、交際費の合計だけでなく、回数と1回あたりの額を見ます。合計が増えたとき、会う回数が増えたのか、1回の額が上がったのかで、次に考えることが変わります。
年に何回あるかで、月あたりの額を出す
交際費は、年に数回の大きな出費で月の額が大きく動きます。ある月だけ交際費が多く見えても、それが予定していたお祝いなら、使いすぎではありません。月ごとの額より、1年の合計で見るほうが実際に近くなります。

図の例では、1年の合計は90,000円で、12で割ると月あたり7,500円です。この額を毎月取り分けておけば、結婚式のお祝いがある10月も慌てずに済みます。金額はどれも例です。
年に数回の付き合いの分は、ほかの年1回の支払いと同じく、1年分の明細から拾う手順で作る表に入れておくと抜けません。現金で包むお祝いの拾い方は、現金で払うものの節に書いています。
国の平均は、月いくらか
家計調査の2025年の結果では、二人以上の世帯の交際費は1か月あたり16,750円でした。消費支出314,001円の約5%です。内訳は、お祝いや香典などの贈与金が6,341円、贈り物の品が合わせて7,495円、会費などが2,914円です。
月ごとに見ると、2025年の交際費は1月の23,993円がいちばん多く、12月の21,829円、8月の20,718円、3月の20,630円と続きます。少ないのは2月の11,887円と6月の12,509円で、国の平均でも月によって2倍ほど違います。
世帯主の年齢別に見ると、交際費は50代から大きく増え、60代がいちばん多くなります。二人以上の世帯の2025年の1か月あたりの額は、次のとおりです。
- 29歳まで:7,461円
- 30〜39歳:9,441円
- 40〜49歳:10,464円
- 50〜59歳:14,588円
- 60〜69歳:21,723円
- 70歳以上:20,462円
一人暮らし(単身世帯)の2025年の交際費は、1か月あたり15,629円でした。単身世帯は平均年齢が58.6歳と高く、年齢別では34歳まで12,274円、35〜59歳15,628円、60歳以上16,986円です。
この平均は、家計調査の線(家族の外の人のための分だけ)で数えた額です。自分の飲食も交際費に入れている家計簿と比べると、その分だけ多く見えます。比べるなら、線をそろえてからにします。
迷いやすい6つの場面
飲み会の会費
家計調査では、飲むことが目的の会の会費は、交際費ではなく外食に入ります。自分が飲んで食べた分だからです。家計簿でも1の線なら食費、2の線なら交際費です。会費とは別に幹事へのお礼や差し入れを出したなら、その分は交際費です。
おごった・多めに払った
おごった日は、自分の分と相手の分を分けると、1の線に合います。分けるのが手間なら、1回の食事をまとめて交際費にすると決めても構いません。どちらにしても、毎回同じ書き方にそろえます。
手土産やプレゼントを、ふだんの買い物と一緒に買った
スーパーで食材と一緒に手土産のお菓子を買うと、レシートでは食料品にまぎれます。人に贈る分だけを抜き出して交際費に書きます。少額なら食費にまとめると決めてもよいですが、誕生日の品のように額が大きいものは抜き出したほうが、1年の合計が合います。
お祝いをもらった・お返しをした
家計調査では、もらったお祝いは収入の側(受贈金)に入ります。家計簿でも、もらったお祝いは収入として書き、お返しの品を買ったら交際費に書くと、出入りが両方見えます。もらった額とお返しの額を並べておくと、次に同じ家へ贈るときの目安にもなります。
恋人とのデート代
恋人は家族の外の人なので、1の線なら、自分の分は食費や楽しみ、相手の分を払ったら交際費です。2人でいくら使っているかを見たいなら、デートの出費をまとめて交際費に入れるか、「デート」の項目を作る方法もあります。
仕事の付き合い
職場の飲み会や同僚への贈り物で、自分が払って戻ってこないものは、家計簿でも交際費です。あとで会社から戻るものは、支出には入れず、立て替えとしてメモしておきます。
交際費の線は、人によって違って当たり前です。大事なのは、一度決めた線を、毎月同じに使うことです。
よくある質問
Q交際費とこづかいは、どう分けますか
家族それぞれにこづかいがあるなら、個人の付き合いはこづかいから、家族としての付き合いは交際費から、と分ける方法があります。親戚へのお祝いや家族で贈るお歳暮は交際費、自分の友人との飲み会はこづかい、という形です。
Q交際費と娯楽費は、どう分けますか
誰のために使ったかで分けます。自分が楽しむための映画や趣味は娯楽費、人に贈るチケットや、人をもてなすために払った分は交際費です。友人と一緒に遊んだときの自分の分は、決めた線に合わせます。
Q香典や祝儀は、交際費ですか、慶弔費ですか
家計調査では、香典や祝儀は交際費の中の「贈与金」です。家計簿では、交際費に入れても、慶弔費として分けても構いません。額が大きく回数が少ないので、分けておくと、ふだんの付き合いの額が見やすくなります。
Q交際費は、固定費ですか、変動費ですか
月によって額が変わるので、変動費として扱うのがふつうです。ただし、町内会費や同窓会費のように毎年同じ時期に同じ額を払う会費は、年1回の支払いとして表に入れておくと抜けません。
Q交際費の予算は、どう決めればよいですか
まず、ステップ1で書き出した1年の予定の合計を12で割り、月あたりの額を出します。そのうえで、毎月の飲み会や会費の分を足します。国の平均を見るなら、自分の家計簿の線と家計調査の線をそろえてから比べます。
まとめ
- 家計調査の交際費は、贈り物・お祝いや香典・おごった分・付き合いの会費
- 自分が食べた外食、寄付金、仕送り、PTA会費は、家計調査では交際費に入らない
- 線を1本に決めて、家計簿の最初に書き、毎月そろえる
- 付き合いは年に何回かの山になるので、1年の合計を12で割って月あたりで見る
- 2025年の家計調査では、二人以上の世帯で月16,750円、単身世帯で月15,629円
線が決まっていれば、友人と食事をした日も迷わずに書けます。年に何回あるかが見えていれば、お祝いの月に慌てずに済みます。
この記事で参照した公的情報
- 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(交際費・贈与金・つきあい費・他の負担費・寄付金・外食の会費・郵便料の年賀はがき)
- 家計調査 用語の解説(用途分類と品目分類)
- 窓口
- 総務省統計局
- 確認日
- 確認先
- https://www.stat.go.jp/data/kakei/kaisetsu.html
- 家計調査 家計収支編 2025年 二人以上の世帯 詳細結果表(第1表・第3表 1世帯当たり1か月間の収入と支出)
- 家計調査 家計収支編 2025年 単身世帯 詳細結果表(第1表・第2表 1世帯当たり1か月間の収入と支出)
- 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 月次 詳細結果表(2025年1月〜12月 第1-1表 1世帯当たり1か月間の収入と支出)