二人暮らしの生活費|平均は年齢と働き方をそろえて見て、一人暮らしから増える分を見積もる

二人暮らしの生活費を調べると、記事によって額が違います。どれも国の統計をもとにしていても、どの世帯の平均を見ているかが違えば、額は変わります。
この記事では、二人暮らしの生活費の平均を、年齢と働き方をそろえた国の数字で並べます。そのうえで、一人暮らしのときより増える費目と、2人の生活費を見積もって家計簿につけるまでの手順を書きます。
二人暮らしを始めるのに、生活費がいくらかかるのか見当がつきません。平均を調べても記事ごとに額が違い、どれを目安にすればいいのか迷います。
二人暮らしの生活費の平均は、どの世帯の数字かで変わる
総務省の家計調査によると、2025年の2人の世帯の生活費(消費支出)は、1か月平均281,014円でした。ただし、この平均は世帯主の平均年齢が68.5歳で、65歳以上の人が平均1.24人いる家計の数字です。
働いている人も平均0.83人で、年金で暮らす夫婦が多く含まれています。これから二人暮らしを始める人や、2人とも働いている人とは、暮らしの形が違います。
同じ家計調査に、世帯の範囲を絞った表もあります。2025年の1か月平均を、範囲ごとに並べると次のとおりです。勤労者世帯とは、世帯主が会社や官公庁、商店などに勤めている世帯のことです。
- 2人の世帯の全体:281,014円(世帯主の平均68.5歳)
- 世帯主が60歳未満の勤労者世帯の、2人の世帯:307,100円(平均48.6歳)
- 同じ範囲で、共働きの夫婦だけの世帯:340,773円(平均47.5歳)
- 同じ範囲で、夫だけが働く夫婦だけの世帯:322,019円(平均51.3歳)
20代や30代の夫婦に近い数字は、5年に1回の全国家計構造調査にあります。2024年の結果では、夫婦だけの世帯のうち、夫が30歳未満の世帯は317,195円、夫が30代の世帯は294,514円でした。
ただし、この調査の生活費は、10月と11月の2か月の支出から出した1か月あたりの額で、1年の平均ではありません。夫が30歳未満の夫婦だけの世帯は、集計した世帯が約120と少ない点にも注意が要ります。

図は、このうち夫だけが働く夫婦を除いた5つを並べたものです。同じ二人暮らしでも、どの世帯の平均かで額は6万円近く違います。平均を見るときは、額と一緒に、何年の、どんな世帯の数字かを確かめます。
若い二人暮らしは、家賃の割合が大きい
全国家計構造調査の2024年の結果では、夫が30歳未満の夫婦だけの世帯の家賃・地代は60,926円で、生活費の約2割を占めます。夫が30代の世帯は52,906円、夫が60歳以上の世帯は3,775円でした。
年齢の高い世帯を多く含む平均ほど、家賃を払っていない世帯が多くなります。家計調査の2025年でも、家賃や地代を払っている世帯は、2人の世帯の全体では11.1%、世帯主が60歳未満の勤労者の2人の世帯では30.2%でした。
賃貸に住むなら、平均の住居の額とは比べず、自分たちの家賃に置き換えて考えます。家賃の相場の見方は、家賃の平均の記事で取り上げています。
共働きかどうかでも変わる
家計調査の世帯主が60歳未満の勤労者世帯で、夫婦だけの世帯を比べると、共働きは340,773円、夫だけが働く世帯は322,019円でした。差が目立つのは外食で、共働きは21,432円、夫だけが働く世帯は17,935円です。
どちらも、世帯主の平均年齢は47.5歳と51.3歳で、20代や30代の二人暮らしとは年齢が離れています。若い共働きの二人暮らしの目安には、上の全国家計構造調査の年齢別の数字のほうが近くなります。
平均と比べる前に、範囲をそろえる
平均と自分たちの数字を並べるときは、同じものを数えているかをそろえます。ずれやすいのは、次の4つです。
家賃込みか、家賃抜きか
家計調査の生活費には家賃が入っていますが、住宅ローンの返済は入っていません。持ち家の世帯が多い平均では、住居の額が小さく出ます。
家賃抜きで比べたいときは、家計調査の「住居等を除いた生活費」が使えます。住居のほか、車の購入、お祝いなどの贈与金、仕送り金を除いた額で、世帯主が60歳未満の勤労者の2人の世帯では247,400円でした。
車があるかどうか
平均の交通・通信には、車の購入や維持の費用が入っています。世帯主が60歳未満の勤労者の2人の世帯では、交通・通信54,041円のうち35,313円が車の分(自動車等関係費)でした。
車を持たないなら、平均からこの分を除いて比べます。車を持つなら、自分たちの車の維持費を月あたりにしてから並べます。
税金や貯金は入っていない
家計調査の生活費には、税金や社会保険料、貯金、ローンの返済は入っていません。手取りから生活費を引いた残りが、貯金や返済に回せる額です。入れるもの・入れないものの線は、生活費の内訳の記事に書いています。
仕送りや交際費
平均の「その他の消費支出」には、こづかいや交際費、仕送り金も入ります。世帯主が60歳未満の勤労者の2人の世帯では、交際費が16,383円、仕送り金が11,712円でした。自分たちに仕送りが無ければ、その分を除いて比べます。
平均は、自分たちの見積もりに抜けている費目が無いかを確かめるのに使います。多いか少ないかは、暮らし始めてからの自分たちの数字どうしで比べるほうが確かです。
一人暮らしのときより、何が増えるか
全国家計構造調査の2024年の結果から、30代の一人暮らしと、夫が30代の夫婦だけの世帯の平均を並べました。同じ人が二人暮らしを始めた前と後ではなく、別の世帯の平均どうしを比べたものです。

生活費の合計は190,020円から294,514円で、約1.5倍です。2人で割ると1人あたり約14.7万円で、一人暮らしの平均より約4.3万円少なくなります。
増え方が小さいのは、住居の約1.2倍と、食料のうち外食の約1.1倍でした。食料や光熱・水道、教養娯楽は1.5〜1.6倍です。図に無い費目では、家具・家事用品が5,079円と11,511円、保健医療が6,130円と14,126円で、どちらも2倍を超えています。
30歳未満で比べると、生活費の合計は174,553円と317,195円で約1.8倍、住居は40,893円と61,249円で約1.5倍と、30代より増え方が大きくなります。夫が30歳未満の夫婦は集計した世帯が約120と少ないので、目安として見ます。
広い部屋に移るか、どちらかの部屋にそのまま住むかでも、住まいの費用の増え方は変わります。新しい部屋の家賃は、見積もりの手順のステップ3で入れます。
1つにまとまるものと、2人分になるもの
見積もりのときは、費目を2つに分けて考えると、増え方の見当がつきます。2人で暮らしても1つで済むものと、人数分かかるものです。
- 1つにまとまるもの:家賃、家のネット回線、電気・ガス・水道、1台を2人で使う車
- 2人分になるもの:食費、日用品、スマホ代、交通、服や美容、趣味や交際、医療
1つにまとまるものも、部屋が広くなったり、使う量が増えたりすれば額は上がります。光熱費の人数ごとの平均は、光熱費の記事にまとめています。
二人暮らしの生活費を見積もる手順
用意するのは、2人それぞれの直近3か月の支出の記録か、口座とカードの明細です。まだ家計簿をつけていなくても、明細から拾えます。紙でも表計算でも、同じ手順で見積もれます。
ステップ12人の今の支出を、費目ごとに書き出す20分
それぞれが、直近3か月の支出を費目ごとに合計し、3で割って1か月あたりにします。費目は、家計調査と同じ10の費目か、家計簿の項目でそろえます。
2人が同じ分け方で書いておくと、あとで足すときに迷いません。実家暮らしで家賃や食費を払っていなかった人は、その費目を空けておきます。
ステップ21つにまとまる費目と、2人分になる費目に分ける10分
書き出した費目を、前の節の2つに分けます。2人分になる費目は、2人の額を足します。1つにまとまる費目は足さずに空けておき、次のステップで新しい家の額を入れます。
食費は、30代の国の平均では、夫婦だけの世帯が一人暮らしの約1.5倍でした。2人の額を足した食費は多めの見積もりと考え、暮らし始めてから実際の額に置き換えます。
ステップ3新しい家で決まる額を入れる10分
家賃・管理費・駐車場代のように、契約で決まる額を入れます。ネット回線をどちらかの契約のまま使うか、新しく引くかも、ここで決めます。
電気・ガス・水道は1つにまとまる費目ですが、2人の今の額を足すと多めになります。30代の国の平均では、夫婦だけの世帯の光熱・水道は一人暮らしの約1.5倍でした。仮の額として入れておき、季節で額が動くので、暮らし始めてから実際の額に置き換えます。
ステップ4年に数回の支払いを、月あたりにして足す10分
賃貸の更新料や火災保険、車の税金や車検のように、毎月ではない支払いを書き出します。年に1回のものは12で、2年に1回のものは24で割り、月あたりの額にして足します。
引っ越しの費用や家具の買い足しのように1回きりのものは、生活費とは別に、始める前にかかる費用として見ておきます。毎月の見積もりに混ぜると、2か月目からの生活費が多く見えてしまいます。
ステップ53か月たったら、実際の額に置き換える15分
暮らし始めたら1か月目から家計簿をつけ、3か月分がそろったら、見積もりの額を実際の額に置き換えます。見積もりとずれた費目があれば、2人で出し合う額も見直します。
見積もりの例

図は、一人暮らしをしていた2人が、賃貸で二人暮らしを始めるときの見積もりの例です。家賃や光熱費は新しい家の額を入れ、食費などは2人の額を足してから見直しています。
この例では、1か月の生活費の見積もりは257,000円です。2人の手取りの合計からこの額を引いた残りが、貯金に回せる額の目安になります。
分担は、出し合う範囲と出し方を先に決める
見積もりができたら、2人でどう出し合うかを決めます。まず、2人で出し合う支出(家賃・光熱費・食費・日用品など)と、それぞれで払う支出(スマホ代・服・こづかいなど)を分けます。出し合い方は、大きく3つあります。
- 生活費だけ出し合う:共通の口座や財布に、決めた額をそれぞれ入れる
- 項目ごとに分担する:家賃は一方、食費はもう一方のように分ける
- 2人のお金を1つにまとめる:収入を1つの口座に集めて、そこから払う
収入に差があるときは、同じ額ずつ出すか、手取りに対して同じ割合ずつ出すかを選びます。額の出し方と立て替えの精算の仕方は、夫婦で家計簿を共有する記事に、例の金額付きで書いています。
項目ごとの分担は始めやすい一方で、食費や光熱費は月によって額が動くので、片方の負担が重くなりやすい形です。どの形でも、見積もりを実際の額に置き換えたときに、出し合う額も見直します。
結婚していない二人暮らしでも、決め方は同じです。2人で使う家具や家電を買ったときは、誰がいくら出したかを残しておくと、あとで分け方に迷いません。
二人暮らしの家計簿のつけ方
二人暮らしの家計簿は、2人で出し合う支出だけを記録すれば足ります。それぞれで払う支出まで、見せ合う必要はありません。
項目は、見積もりに使った費目と同じにしておくと、見積もりと実際の額をそのまま並べられます。共通の口座から払うものは口座の明細で拾い、立て替えたものは誰が払ったかを書き添えます。
2人で見るのは、月に1回で十分です。先月や去年の同じ月と並べて、増えている費目だけを話します。見方は月1回15分の見直しと同じです。
誰が使ったかより、何が増えたかから話すと、責め合いになりにくくなります。見るのは2人の暮らしの分だけと、先に決めておくと安心です。
よくある質問
Q二人暮らしの生活費は、家賃込みでいくらですか
家計調査の平均には家賃も入っていますが、家賃を払っていない持ち家の世帯を多く含むので、住居は小さく出ます。賃貸なら、家賃を除いた生活費に、自分たちの家賃を足して考えます。
世帯主が60歳未満の勤労者の2人の世帯では、住居や車の購入などを除いた生活費が247,400円でした。例として家賃が9万円なら、足して約34万円です。この額には車の維持費も入っているので、車を持たないなら少なめに見ます。
Q手取り20万円や、生活費15万円で二人暮らしはできますか
国の統計は、手取りや生活費の額ごとに、二人暮らしが成り立つかの目安は示していません。家賃などの決まった額を先に引き、残りで食費や光熱費がまかなえるかを、この記事の手順で見積もって確かめます。
見積もりで足りないときは、額が大きく、毎月同じだけ出ていく家賃から見直すと、差が埋まりやすくなります。家賃は住み始めてから下げにくいので、部屋を決める前に見積もっておきます。
Q同棲と夫婦で、生活費の平均は違いますか
この記事で見た家計調査と全国家計構造調査の表には、結婚していない2人の世帯だけを分けた平均はありませんでした。「2人の世帯」の平均には、夫婦のほか、親子など2人で暮らす世帯も入っています。
同棲でも、年齢と働き方が近い夫婦だけの世帯の数字を目安にできます。あとは、暮らし始めてからの自分たちの数字で見るのが確かです。
Q東京や地方など、地域で生活費は違いますか
家計調査には地方や都市の大きさごとの平均もありますが、この記事で見た表は二人以上の世帯全体の数字で、2人の世帯に絞ったものではありませんでした。地域で額が大きく変わる家賃は、実際に住む地域の額で見積もります。
Q二人暮らしの生活費の中央値は分かりますか
家計調査は中央値も出していますが、見た2025年の表は二人以上の世帯全体と勤労者世帯の数字で、2人の世帯だけの中央値はありませんでした。平均より中央値が低く出る理由は、生活費の内訳の記事にまとめています。
Q生活費を折半するのは、おかしいですか
折半が合うかどうかは、2人の収入の差と、手元に残る額で決まります。収入に差があると、同じ額ずつ出したときに、収入の少ない側の手元に残る額が小さくなります。
手取りに対して同じ割合で出す方法と比べ、2人が納得できるほうを選びます。どちらの出し方も、決めたあとに実際の額で見直せるようにしておきます。
Q家計簿は、どちらがつけるといいですか
記録する人は1人でも構いません。もう1人も、引き落としの口座と月の合計を見られるようにしておけば、片方がつけられない月も引き継げます。
まとめ
- 二人暮らしの平均は、どの世帯の数字かで6万円近く変わる
- 2人の世帯の全体の平均は、世帯主の平均年齢が68.5歳の家計の数字
- 年齢と働き方、家賃と車の有無をそろえてから平均と比べる
- 30代の平均では、夫婦だけの世帯は一人暮らしの約1.5倍で、住居の増え方は小さい
- 見積もりは、1つにまとまる費目と2人分の費目に分けて出す
- 3か月たったら実際の額に置き換え、出し合う額も見直す
平均の範囲をそろえれば、自分たちの見積もりに抜けが無いかを確かめられます。暮らし始めてからの数字に置き換えていけば、2人の生活費がはっきり見えてきます。
この記事で参照した公的情報
- 家計調査 家計収支編 2025年 二人以上の世帯(第3-1表 世帯人員別=二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯のうち世帯主が60歳未満/第3-11表 妻の就業状態,世帯類型別=夫婦のみの世帯)
- 令和6年全国家計構造調査 家計収支に関する結果(第1-10表 世帯類型別=夫婦のみの世帯の夫の年齢別/第1-25表 世帯人員,有業人員,世帯主の年齢階級別=単身世帯)
- 令和6年全国家計構造調査 利用上の注意(家計収支は10月・11月の収支)
- 家計調査 用語の解説(勤労者世帯)
- 窓口
- 総務省統計局
- 確認日
- 確認先
- https://www.stat.go.jp/data/kakei/kaisetsu.html