生命保険料控除はいくら?|3つの区分と、新契約・旧契約の計算表

家計の見える化

秋になると、保険会社から控除証明書が届きます。年末調整の用紙に書き写しても、それがいくらの控除になるのかまでは分かりません。

この記事では、生命保険料控除の額の出し方を国税庁の案内で確かめます。あわせて、控除証明書の見方と、家計簿での書き方まで書きます。

保険料をいくら払っても控除は同じだと聞きました。自分の場合いくらになるのか、証明書を見ても分かりません。

控除は3つの区分に分かれている

国税庁の案内では、生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けられるとされています。これが生命保険料控除です。

生命保険料控除の3つの区分と上限の図。所得税では一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料がそれぞれ新契約で最高4万円。合計したときの上限は所得税が12万円、住民税が7万円で1区分あたり最高28,000円。区分は主契約または特約の保障内容で決まる

図は、3つの区分と合計したときの上限です。一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料で、それぞれ別に控除額を計算します。

3つに分かれるのは新契約だけです。旧契約の区分は旧生命保険料と旧個人年金保険料の2つで、医療保険や介護保険の保険料も旧生命保険料に含まれます。

3つを足した額が控除額になります。ただし、合計が120,000円を超える場合は120,000円が上限です。

契約した時期でも計算が変わります。平成24年1月1日以後に締結した契約が「新契約」、平成23年12月31日以前に締結した契約が「旧契約」です。

保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象にならないものもあるとされています。証明書が届かない契約は、保険会社に確かめてください。

新契約の計算表と、旧契約の計算表

生命保険料控除の計算表の図。新契約は年間の支払保険料等が2万円以下なら全額、2万円超4万円以下なら2分の1+1万円、4万円超8万円以下なら4分の1+2万円、8万円超は一律4万円。旧契約は2万5千円以下なら全額、2万5千円超5万円以下なら2分の1+1万2千500円、5万円超10万円以下なら4分の1+2万5千円、10万円超は一律5万円

図は、新契約と旧契約の計算表です。区分ごとに、年間の支払保険料等をこの表に当てはめて控除額を出します。

新契約は、8万円を超えて払っても控除額は一律4万円です。旧契約は、10万円を超えて払うと一律5万円になります。

支払保険料等には決まりがあります。その年に支払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額です。

令和8年分以降は表がもう1つ加わりました。新契約に基づく新生命保険料について、23歳未満の扶養親族を有する場合は、3万円以下なら全額、12万円超は一律6万円となる表が使われます。

新契約と旧契約の両方に入っているときは、扱いが分かれます。旧契約の年間支払保険料等が60,000円を超える場合は旧契約の表だけで計算し、60,000円以下の場合は新旧それぞれで計算して合計します。

住民税の控除額は別の表で、合計7万円まで

住民税にも生命保険料控除がありますが、計算表も上限も所得税とは違います。相模原市の案内では、新契約の場合、支払保険料が12,000円以下なら全額、56,000円超は一律28,000円とされています。

旧契約は15,000円以下なら全額、70,000円超は一律35,000円です。3つの区分を合計した適用限度額は70,000円とされています。

所得税の12万円と住民税の7万円では、上限が違います。保険料を増やしても控除が増えない線は、住民税のほうが手前にあります。

住民税の額は市区町村が計算するので、自分で申告書を分けて出す必要はありません。年末調整か確定申告で出した内容が、そのまま住民税にも使われます。

控除証明書の見方と、家計簿での書き方

用意するのは、保険会社から届く生命保険料控除証明書です。だいたい10月から11月に届きます。

ステップ1証明書の「区分」を見る5分

証明書には、一般・介護医療・個人年金のどれに当たるかが書かれています。同じ保険会社から複数の証明書が届くこともあります。

新契約か旧契約かも書かれています。契約した年で分かれるので、古い契約の証明書は別に置いておきます。

ステップ2証明書の「申告額」を計算表に当てはめる10分

証明書には、12月まで払った場合の見込みの額(申告額)が書かれています。その額を区分ごとに計算表へ当てはめます。

証明書が届いた時点の額ではなく、年末までの見込み額を使います。どちらを使うかは証明書に書かれているので、そのとおりに写します。

ステップ3年末調整か確定申告で出す20分

会社員は保険料控除申告書に書いて証明書を添えます。書き方の流れは年末調整の書き方、同じ年末調整で受けられる住宅ローン控除も合わせて確かめます。

自営業の方や書き忘れた方は確定申告で受けます。手順は確定申告のやり方にまとめています。

ステップ4保険料を固定費の一覧に入れる15分

生命保険料は毎月または毎年決まった額が出ていきます。家計簿の固定費の書き方にならって、契約ごとに一覧を作ります。

年払いの契約は、その月だけ大きな支出になります。特別費の表に月と額を書いておくと、赤字に見える月の理由が分かります。

迷いやすい場面

契約が複数あって、どれがどの区分か分からない

区分は主契約または特約の保障内容で決まります。国税庁の案内では、異なる複数の保障内容が1つの契約で締結されている場合は、主たる保障内容に応じて保険料控除を適用するとされています。

自分で判断せず、証明書の記載に従います。区分が書かれていないときは保険会社に確かめてください。

上限まで払っているか知りたい

新契約なら、1つの区分で年間8万円を超えると控除額は一律4万円で止まります。3つの区分を足しても、所得税の控除額は12万円が上限です。

住民税は1区分56,000円超で28,000円、合計7万円が上限です。証明書の申告額を足して、どのあたりにいるかを見ます。

社会保険料控除と混ざる

健康保険や年金の保険料は社会保険料控除で、生命保険料控除とは別の控除です。国税庁の案内では、社会保険料控除は支払った金額の全額が控除されます。

生命保険料控除のように計算表で頭打ちになりません。証明書の種類を見て、書く欄を間違えないようにします。

証明書をなくした

保険会社に連絡すると再発行できます。年末調整に間に合わないときは、確定申告で受けることもできます。

旧契約で年間保険料が9,000円以下のものと、年末調整の際に控除を受けたものは、確定申告のときに証明書の添付が要りません。それ以外は添付するか、提出の際に提示します。

よくある質問

Q生命保険料控除はいくらですか

新契約なら1区分あたり最高4万円、3つの区分を合計して最高12万円です。旧契約は1区分あたり最高5万円で、区分は旧生命保険料と旧個人年金保険料の2つです。

Q保険料をたくさん払えば控除も増えますか

増えません。新契約は年間8万円を超えると一律4万円、旧契約は10万円を超えると一律5万円で止まります。

Q新契約と旧契約の違いは何ですか

平成24年1月1日以後に締結した契約が新契約、平成23年12月31日以前に締結した契約が旧契約です。計算表と上限が違います。

Q住民税の控除額も同じですか

違います。1区分あたり最高28,000円で、合計の適用限度額は70,000円です。

Q令和8年分から何が変わりましたか

新契約の新生命保険料について、23歳未満の扶養親族を有する場合の計算表が加わりました。12万円超で一律6万円となります。

Q家計簿にはどう書きますか

保険料は固定費の一覧に契約ごとに入れます。年払いの契約は特別費の表に月と額を書いておきます。

まとめ

  • 生命保険料控除は一般・介護医療・個人年金の3区分。合計の上限は12万円
  • 新契約は年間8万円超で一律4万円、旧契約は10万円超で一律5万円
  • 令和8年分以降は、23歳未満の扶養親族がいる場合の新生命保険料の表が加わった
  • 住民税は1区分最高28,000円、合計7万円が上限で、所得税とは表が違う
  • 控除証明書には区分・新旧・申告額が書かれている。そのまま計算表に当てはめる
  • 家計簿では固定費の一覧に入れ、年払いの分は特別費の表に書く

表に当てはめれば、自分の控除額が出ます。今日は届いた控除証明書を並べて、区分と新旧を確かめるところから始められます。

この記事で参照した公的情報

  1. 生命保険料控除(3つの区分・合計の上限12万円・新契約と旧契約の計算表・令和8年分以降の23歳未満の扶養親族がある場合の表・支払保険料等の意味・手続き)
    窓口
    国税庁(タックスアンサー No.1140)
    確認日
    確認先
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm
  2. 所得控除(市・県民税の生命保険料控除=新契約の計算表・1区分あたり最高28,000円・合計適用限度額7万円・旧契約の計算表)
    窓口
    相模原市
    確認日
    確認先
    https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/1026448/zeikin/1026477/jyuminzei_kojin/1012935/index.html
  3. 社会保険料控除(生命保険料控除と別の控除であること)
    窓口
    国税庁(タックスアンサー No.1130)
    確認日
    確認先
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm

この記事を書いているのは

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